金属メーカーとして、また資源開発などでも知られる川中商事についてまとめてみました。

鉱石販売から事業を拡大しつづける川中商事

川中商事は東京に本社を持つ、工業にかかわる商品販売を中心とした専門商社です。
ほかにも、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡に6つの支店。静岡と高松に2つの営業所。そして、札幌、東京、千葉、広島、福岡に5つの機械センターを持っています。

また、海外にも、上海とシンガポール、アメリカ・ポートランドにそれぞれ事務所を構えています。
川中商事のネーミングは、沖縄県の沖大東島が「川中島」と呼ばれていたことが由来となっています。

川中島は、周囲が5km程度しかないとても小さなサンゴ礁の島です。この川中島を所有してリン鉱石を採掘していたのが、のちの「川中工業」となる「川中島燐礦」です。
現在では無人島になってしまいましたが、もっとも採掘が盛んだったときには、2,000人ほども人口がいたといいます。

そして、鉱石の販売を担当するために1939年に設立されたのが川中商事でした。当時は子会社というあつかいでしたが、採掘が終わった現在では独立した企業となっています。
独立してからは、海外からイルメナイトやダイカライト、ジルコンサンドなど鉱石の取りあつかいをどんどん増やしていきます。

そして、1959年には現在の大平洋金属株式会社と、ポンプの代理店契約を結んだことで、鉱物以外の事業もスタートさせます。
現在では、資源や建機などを中心に、工業にかかわるさまざまな商品を販売する専門商社として活躍しています。

特に、鉱物資源のジルコンサンド、産機のスラリーポンプ、環境設備の水砕スラグ製造設備といった製品では市場を大きくリードしています。
また、最近では2012年にイズミ株式会社を、2014年に旭テック株式会社を子会社化しています。これによって、合成樹脂や油脂などの化学品を専門とする技術と、石油精製や石油化学プラントなどの設備関連に対する設計や施工、メンテナンスの技術を取り入れることに成功しています。

さらに、2015年にはグループが所有している不動産を有効活用するために、「川中株式会社」を新しく設立しています。
このように、近年は多くの子会社を設立することで、より幅広い分野に事業を広げています。

これによって、それぞれの部門分野が広がるのはもちろん、おたがいに関係性を強めることで、よりこれまでの事業の成長にも期待できるようになりました。
川中商事はまだまだこれだけにとどまらず、さらに各分野での専門性を深めることで、まだ開拓していない市場の掘り起こしを狙っています。

企業80周年を迎えるに当たって、その成長はまだまだ止まることを知りません。

 

川中商事が勝ち残るために用いた3つの戦略

もともとは川中工業の営業部門にすぎなかった川中商事ですが、現在では独立して世界中でさまざまな資源や工業製品を販売しています。
では、なぜグループはこの激しい企業競争のなかで、ここまで見事に勝ち残っているのでしょうか。

そこには、3つのポイントがあります。
まず、川中商事の基本スタンスともなっている、ニッチ市場でトップを確保するという方針です。メイン事業となっている、ジルコンサンドがその代表例といってよいでしょう。
現在の国内市場のシェアは、何とその過半数が川中商事によって占められているのです。

ほかにも、産機では国内のスラリーポンプでナンバーワンとなるワーマンポンプをあつかっています。環境設備では、水砕スラグ製造設備を設計から建設、サポートまですべてカバーできるのは川中商事しかありません。
これは、世界中で見ても数社しかないというほどの技術力です。
このように、ニッチ市場の足場を地道に固めていることが、事業の土台を確かなものにしている理由のひとつです。

次にポイントとなるのが、製品のノウハウを知っておくことです。
商品を販売するだけでは、それで取引は終わっていまいます。しかし、その後のカスタマイズやエンジニアリング、メンテナンスといった顧客の注文に応えることができれば、
その後も引き続き取引を行うことができます。

これを可能にするのが、高い専門性です。
専門性を高めることで、幅広いサポートを提供することができ、より安定した取引ができることになる。このことが、成長の土台となっているわけです。

そして最後のポイントが、事業を拡大するためのM&A戦略です。
近年では、化成品に実績のあるイズミ株式会社と、プラント設計や施工に定評のある旭テック株式会社を立て続けに買収して子会社化してきました。

それぞれ、単体の事業としてはもともとの事業と顧客層が重なっているわけではないので、それだけで単純に市場が広がることになります。
しかし、それだけではありません。それぞれの事業内容はおたがいにとても関連性が高いので、シナジー効果も大きく狙えるのです。
このことで、さらなるサービスと技術の幅の広がりが得られるわけです。

以上、3つのポイントが挙げられました。それぞれ、安定、成長、拡大といった明確な狙いをもっているからこそ、川中商事はここまで激しい競争に勝ち残ってきたのです。
そして、これからもますます強い商社になっていくことは間違いないでしょう。

 

川中商事は専門化することで事業を拡大した

川中商事には、創業の歴史とともにつちかってきた、3つの柱となる事業があります。
もともとは、沖縄でリン鉱石を採掘する工業会社の販売部門として設立された商社にすぎませんでした。

その後、独立してからは鉱石と並行して麦などの食料の輸入もあつかうようになります。
しかし、ちょうど輸入自由化とタイミングが重なってしまったために、そちらは撤退せざるをえなくなります。そのことが、ふたたび鉱物資源へと事業を集中させることになります。
結果的に、それが事業内容の専門性をより深いものとしました。

さまざまな鉱石を取引するなかで、やがて目をつけたのがジルコン酸度です。
ジルコンサンドは、セラミックスの釉薬や、耐火煉瓦、さらには半導体チップの加工や液晶などの工程にも用いられる、特に現代においては欠かせない好物です。
これを、世界最大の生産量となるオーストラリアからいち早く輸入を始めたのです。

そのため、現在でも国内市場の半数以上を占めるほど、川中商事の主要な事業に成長しました。
また、鉱物資源をあつかっていくうちに、ふたたびオーストラリアで目をつけたのが、ワーマン社の開発したワーマンポンプです。

ワーマンポンプは液体に合わせて材質をゴムと金属で交換できる、とても高機能なポンプです。それによって、摩耗したり腐食したりするような液体でも十分に送ることができるようになりました。
また、部品を交換すればほぼ半永久的に使えるというのも大きなメリットです。

こちらも、いち早く当時の日曹製鋼株式会と協同したことで、日本での商品化に成功しました。もちろん、現在でも国内の市場を大きくリードしています。
また、ワーマンポンプをあつかうようになったことで、機械の周辺機器やポンプの設備、プラント設備などに対する技術力も高まっていきました。

そこで、さらに展開できるようになったのが、水砕スラグ製造設備のような環境設備関連事業です。
川中商事の水砕スラグ製造設備には独自の技術が取り入れられ、スラグや焼却灰、汚水などをコンクリートの原料にリサイクルすることができます。
この技術は世界中でも注目され、特に製鉄所の建設や改修が多く行われる昨今では、輸出業としても大きな事業となっているのです。

このように、川中商事はただやみくもに事業を拡大してきたわけではありません。それぞれに関係する知識と技術をたくわえたことで、より専門性を深め、満足の高いサービスを提供できるようになっていったのです。
この3つの事業を柱として、さらに子会社化によって化成品や石油プラント設備などの事業を取り入れ、ますます川中商事は成長しようとしています。

 

人と地球の健康を考え続けてきた川中商事

川中商事は大阪に本社を持つ、おもにオーガニック食品の輸出入、通信販売を行う企業です。

本社以外には、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴに支店を持っています。
もともとは、1953年にはじまった食養(新生)会がはじまりです。その時点では会社ではなく、あくまで食事方法を普及させるための集まりにすぎませんでした。それを母体として、1968年に設立されたのが、自然食品や伝統食品を販売するムソー株式会社です。

6年後の1974年には、食品を欧米に輸出する事業が始まりました。さらに、2年後の1976年には貿易部門が作られ、北米を中心としてより事業が拡大されたのです。
その後、1980年代に起こった日米での豆乳ブームがきっかけで、豆乳の輸出が始まりました。1985年には、アメリカに豆乳の合弁工場が建設されます。

次の年になると、貿易部門が独立して現在の川中商事が設立されます。1988年には、アメリカから認定オーガニック商品や原料の輸入を開始し、翌年にはオーガニック認定商品の独自の商品を作り始めます。
1990年には日本で初の認定オーガニックコーヒーが発売され、1999年には欧州のオーガニック認定機関ECOCRTの認定を取得することになります。

また、90年代を通じて中国、北米で大豆の事業が一段と拡大し、その影響もあって2007年にはアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴにJAPAN GOLD USA支店が設立されます。
2011年には、さらに新たに市場を開拓するために、ナチュラル&オーガニック専門のネット通販事業をスタートさせました。

現在では、オーガニックのアルコール製品や、冷凍製品の販売も行われています。

川中商事ではこれらの世界中から厳選したオーガニック商品を、「ムソーオーガニック」という商標登録で取りあつかっています。
グループ会社には、国内販売問屋の「ムソー株式会社」、マクロビオティック食品製造の「ムソー食品工業株式会社」、自然食品製造の「株式会社冨貴食研」、料理講習会や月刊誌出版を事業とする「正食協会」の4つが国内にあります。

さらに海外にも、ミシガン州で豆乳やスープ、飲料などを生産販売する「アメリカン・ソイ・プロダクツ」、中国の有機穀物原料選別工場となる「大連日華有機食品精選有限公司
」の2つがあります。

このように、川中商事では誰もが安心して食べられる、地球環境にも優しい食材や食品を提供することをモットーとしています。この食に対する理念は、母体となった食養会のころからまったく変わっていないといえるでしょう。